三陽商会が「シネマコマース」と銘打った新ブランドを設立した。
「着る映画」をテーマにしたブランド名は「CAST:(キャスト)」。2019年8月1日、1号店の渋谷店をオープンし、9月までに全国で約30店舗を展開する。
使い方は、パソコンやスマートフォンで特設サイトにアクセスし、映画を再生。画面の上部に出てきた人物の名前をタップするだけで、着用している衣装が一覧で表示され、そのまま購入画面に進める。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48758620Q9A820C1000000/
─ YODOQの見方───────────────────────────
この「シネマコマースの」の凄いところは、映画の世界と連動した実店舗を大々的に展開することにある。実店舗は映画の主人公である3人の女性の部屋を家具や什器、小物にいたる細部まで再現した内装で、顧客自らが映画のキャスト(登場人物)になり、服選びができる。
さらに今回、三陽商会では初めてRFIDタグを導入した。店内のモニターやミラーサイネージに服(タグ)をかざすと、着用イメージやサイズ展開、価格が表示され、店員と会話する必要が無くなり、より映画の世界に没入できる。モニターにはECサイトへ飛ぶQRコードが表示され、店を出てからも商品との接点が続く。
従来、こういったO2O(Online to Offline)マーケティングの手法は、SNSを利用した「共有型」「拡散型」が主流だったが、シネマコマースは「没入型」「共感型」であることが最大の特長だ。
この事例は大手の体力があってこそと言えなくもないが、SNSに頼りきりのマーケティング手法には、そろそろ限界がきているのかもしれない。