3DCG女子高生“Saya”は2015年10月にTwitterで画像が公開され、「実写にしか見えない」と爆発的な話題に。その後、進化を遂げ動画化され、昨年には講談社主催のコンテスト“ミスiD2018”でセミファイナリストに選出され、“人間ではない女の子”として世界に存在感を示してきました。
現在はAI技術を取り入れ、インタラクティブなコミュニケーションが可能な“Saya”へと進化しつつある彼女。プロフィールに書かれた将来の夢「人間同士みたいに、みんなと喋ったり友達になること」を叶えるためのステップを着実に歩んでいる最中です。
“Saya”を生み出したのは、CGアーティストの石川晃之氏・友香氏ご夫妻(Telyuka)もともと日本のアニメやCG技術は世界的にメジャーですが、“Saya”は、「不気味の谷を超えた」と世界から高く評価されています。知らない方は、ぜひ一度ご覧になって下さい。そのクオリティーの高さに驚かれると思います。
一方で、最近残念なニュースも聞きました。それは、「日本の科学力が相対的に落ちてきている」というものです。そして、台頭してきているのは中国です。研究者の数、研究者の環境、待遇も中国は圧倒的に素晴らしいらしく、日本の研究者も待遇ゆえ随分流出していると言われています。基礎研究、スーパーコンピューター、IoTの開発といった応用研究の分野でも、目覚しく発展しています。それを示す指標として、論文の引用数の変化があります。2004~2006年 1.アメリカ 2.イギリス 3.ドイツ 4.日本 5.中国
2014~2016年 1.アメリカ 2.中国 3.イギリス ・・・・9.日本
─ YODOQの見方───────────────────────────
論文の引用数低下の原因は、投下される研究費に大きな違いがあるらしいということです。
大学と企業などが投じた研究開発費の推移です。
2001年 アメリカ 40兆 日本 18兆 中国 6兆
2016年 アメリカ 51兆 日本 18兆 中国 45兆
さらに、主要国における政府の研究開発費負担割合という情報も見つけました。2015年の数値ですが
日本 17.6% アメリカ 24.0% 中国 28.0%以上
上記のようなデータを見ると、他の国と比べ、日本の研究開発費がいかに低く、そして政府からの予算の割合も低いことが分かります。
これだけの数値から言い切るのは無理があるのかもしれませんが、日本という国はもう少し、研究ということに力を入れたほうがいいのではと思います。
そこで、前述の“Saya”に戻りますが、草の根では、世界に誇れる技術はまだまだあると思います。製作者のTelyukaの言葉で“Saya”を作るにあたり、ほとんど貯金を切り崩してやってきたという話しも載っていました。儲かる仕事を断わってでも時間を作って開発に打ち込んできたと。それは「物作りに対する愛だ」とのことでした。
このようなことを聞くと、日本でも、研究者や物作りをする人たちが優遇されていく世の中になっていって欲しいものだと思います。そうでないと、優秀な人材はみんな中国や海外に流れていってしまうという危機感も覚えます。