わずか1滴の血液や尿から早期のがんを発見できる検査が、早ければ2020年にも一部の人間ドックや健康診断で受けられるようになる見込みです。
早期のがんを発見するために用いられるのは「マイクロRNA(リボ核酸)」と呼ばれる物質です。マイクロRNAは遺伝子の働きにかかわる物質で、体内に約2600種類存在しています。がんは早期から、特定のマイクロRNAを分泌することで増殖したり転移したりしているので、このマイクロRNAを解析することでがんの有無やがんができている臓器を予測することができます。検査に必要な血液は50マイクロリットル程度とわずかなため、痛みや放射線被曝(ひばく)のある精密検査を敬遠する方にも気軽に受けてもらえそうです。当面は数万円の検査費用がかかるそうですが、将来的には公的保険が適用されることで、安くなる可能性もあるいとのことです。
引用:https://style.nikkei.com/article/DGXKZO46104930U9A610C1TCC000?channel=DF140920160921&page=2
─ YODOQの見方───────────────────────────
がんは40年近く日本人の死因のトップとなっており、今や生涯に2人に1人はがんになると言われています。しかし、日本のがん検診率は欧米に比べると低くいのが現状で検診率の低さが、がんの早期発見を妨げる原因となっています。がんは、早期に発見できれば約9割は治ると言われており、このことからも早期発見の大切さがよくわかります。
参考:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42090620W9A300C1EAC000?channel=DF010320171966&style=1
わずか1滴の血液で精度の高いがん検査が可能であれば、自宅で採血さえできれば病院に行かなくてもいいので、忙しい人や病院に行くこと自体に抵抗がある人にもがん検診を受けてもらえるのではないでしょうか。現在も「腫瘍マーカー」を採用した家庭での検診セットは販売され、血液採取も指先に自動針を指すことで簡単にできます。採取した血液や尿を郵送するだけで2週間後には検査結果が届きます。
参考:https://dock.ouchide.biz/about/
今回ご紹介した「マイクロRNA」を用いた検査も、このような簡単な採血セットを利用することで、ネットサービスとしても運用できるのではないかと思います。インターネットで申し込みを受け付けてクレジットカードや電子決済で支払ってもらい、検査の結果、がんと診断された人には居住地やがんの種類によって最適な病院を何件か紹介するというマッチングをおこなうことで、ユーザビリティもあがり、サービスを利用した人が実際に受診することで病院から紹介手数料を徴収するというビジネスモデルも可能ではないでしょうか。